赤字経営の原因と脱却するための3ステップ

「儲かってると思っていたのに決算書は赤字。なんでこんなことになるんだろ。原因を突き止めて赤字経営から脱却したいなぁ」。

今日はそんな疑問にお答えします。

この記事の内容
  • 赤字経営の原因がわかる
  • [実例あり]赤字を脱却する方法がわかる

私たちJ-Nextコンサルティングでは、神奈川県で経営コンサルティングを行っており、県の相談窓口に相談された方々への経営改善を行っています。コンサルティングの中で「経営改善アプリ Watta(ワッタ)」の制作・運用・導入も行ない、システムを含めた複合的提案が強みです。最近は生産性改善により、ある赤字の歯科技工所を黒字転換するなど、赤字脱却例が増えてまいりました。

赤字経営からの脱却方法は、後ほどこの歯科技工所をケーススタディに説明していきます。あなたにピッタリの情報をご提供できるのではないかと思います

赤字経営の原因

「繰り越し赤字で黒字を相殺したい」や「税金支払いを少なくしたい」といった、半分意図的な赤字経営でない場合…下記の3つが赤字の原因になっています。

1. 売上
2. 原価
3. 人件費

以下説明します。

  1. 売上の中に赤字取引がある
  2. 古くから取引がある会社や、売上に占める割合が大きい会社との取引の場合、条件が厳しく赤字になっているケースがあります。例えば相手が大企業で、取引額も大きい場合経営への影響も大きく赤字になると全体もつられて赤字になるケースも少なくありません。

  3. 原価が割高
  4. 飲食店経営のケースで原価が割高というと「ロス」という言葉がイメージしやすいでしょう。食品が原価になる場合、消費期限があり、それを過ぎると廃棄せざるを得ません。これをロスといいます。ロスした分も、丸々原価としてのってくるので利益を圧迫します。他の業種でも、原価の調整・交渉が甘く割高になっているケースを見かけます。ただ、原価は出ていくお金の中で比較的わかりやすく、取引ルートを多様化させたりと圧縮しやすく改善しやすい項目です。

  5. 人件費が案件に対して過剰
  6. 案件や商品ごとに人件費を計測していないと陥りがちな原因です。製造原価・販売管理費の中に人件費の占める割合がおおい場合は、この項目が赤字の主たる原因であることが多いです。小さな取引に営業が長い時間を取っている、突発的な取引先の依頼に従業員が残業で対応している…等々、個別にみていけば人件費が過剰にかかっている場面が多くあることに気づきます。

[実例あり]赤字を脱却する3ステップ

「そんな教科書的に言われても、どうやって改善すればいいか分からない」
ここまで読んで、そう思いませんでしたか?安心してください。以下で、実際に赤字経営を脱却したケースを例に、赤字脱却の方法を説明します。

簡単に中身を要約

神奈川県横浜市で義歯制作を行う株式会社フェリーチェ。がむしゃらに来た仕事をしていたものの高い・安い関係なく義歯製作を行っており、人件費が大きく膨らんだ結果赤字化。
J-Nextコンサルティングの牧野の提案で「個別採算分析」を取り入れた経営を実施。赤字案件を可視化することで、「保険診療案件の受注を止める」という経営判断をくだす。
従業員の生産性が飛躍的に高まり、黒字化を達成。

>>詳細な対談内容はコチラ

  1. 売上の中身を把握する
  2. まず、何よりも売上の中身を把握することが赤字脱却の第一歩です。先述のフェリーチェ様にも「案件別の(製作にかけた)時間」を測ってもらうことを提案しました。結果、以下のようなことが起きました。フェリーチェの生田社長はこう語ります。

    1ヶ月足らずでいろいろわかりました。当時はWattaではなく紙に案件別の時間を書き出していました。途中「げっ、この義歯こんなに時間掛かってたんだ」と思うようなことが多々ありました。

    赤字を脱却して利益を残すためには、何より時間当たりの生産性を向上させる必要があります。ただ、経営は日々忙しい中で、売上の中身にまで目がいってないケースが多々あります。そこで、売上を個別に「時間」という単位で測るのが一番簡単なのです。

  3. 原価(仕入れ原価、外注費等)の精査
  4. 売上に対する時間がわかると、その先の分析は簡単になります。売上に紐づいた原価(仕入れ原価、外注費等)を割り出して、売上 – 原価 = 損益 を個別にみていけばいいのです。フェリーチェ様の場合は、下記のような赤字案件がたくさん見つかりました。

    売価の2倍以上に製造原価をかけている保険義歯がたくさん見つかりました。これはゾッとしましたね。1万円で作って2万円で売るならいいですが、2万円で作って1万円で売っていたわけです。これは儲かるハズないなと・・

    これは利益率-100%の例ですが、案外笑いごとではありません。忙しさから案件/事業別に赤字案件を認識・管理できていない会社は9割を超えます(J-Next体感値)逆に言うと、ここまで原価を精査できると経営でほとんどの会社に抜きんでることができます。

  5. 赤字/低生産性案件の取りやめと、値付けの変更
  6. 個別に儲かっている儲かっていないというものが分かったら、儲かっていない案件に対して、取りやめるという判断を行うこともできます。フェリーチェ様の場合、保険診療を止める決断をしました。

    「保険診療」をやめ「自費診療」のみに事業を集中しました。実際に収益をみると「自費診療」と「保険診療」の格差にびっくりしたんです。牧野先生に個別案件の収益性を可視化してもらって、『こんなにも「保険診療」の収益は悪いのか・・・』と愕然としました。

    保険診療をやめるというのは大きな決断です。売上や利益はどうなりましたか?

    始めは不安だったのですが、売上は変わりませんでした。1社の歯科医さんとの契約は切れてしまいましたが、他の歯科医さんとはそれまでと変わらず関係性が維持できています。むしろ新しい歯科医さんとの付き合いは増えたくらいです。一方で利益は劇的に大きく改善しました。

    また、これまで経費として請求してこなかった出張費も請求しました。
    「従業員の時間」を測ると同時に「自分の時間」の使い方も振り返ってみたんです。実は自費診療の義歯は歯科医に立ち会って調整作業をします。つまり納品先の歯医者さんに出張しているんです。それが結構な日数と時間だったことに気づきました。
    その出張費をお客さんごとに査定ししっかり請求するようにしました。みなさんあっさりと払ってくれて。今まで何だったのかなと。

    このように、今まで値段のついてなかったサービス代に値段をつけてお客様に請求することも可能です。個別に採算を計測することで、経営が具体的に見えてくる感覚がお分かりいただけたでしょうか。

まとめ:赤字の原因を数値で把握して儲からない案件にメスを

ここまでで赤字は案件や事業の①売上②原価③人件費のどこか、またはすべてに原因があるということをお伝えしました。ただ、現状では上記の数値をしっかりと把握できている企業は少ないです。そこで、「時間」をキーワードに案件や事業を個別に計測することから始めて、問題点を炙り出し、改善していくことが必要なのです。

まずは経営を「見える化」しましょう。

そこで、オススメしたいのが「経営の見える化」アプリWatta(ワッタ)です。このアプリでは、顧客別の収益性、案件種別の収益性を、誰でも簡単に知ることができます。また、従業員もスマホを使って数タップするだけなので、ここまで説明した、売上の中身や、原価・人件費が誰でも簡単に把握できるようになります。赤字を脱却して利益を残すためには、経営の現状を正しく知り・管理するところから。私たちはWattaをお勧めします。