製造業で経営分析するとき見るべき指標

「製造業のお客さんの経営改善したい。見るべき指標と改善事例も、どこかに載ってないかな。」

そんな疑問にお答えします。

この記事の内容
  • 経営分析のために見るべき4つの指標がわかる
  • 製造業の改善事例のご紹介

これまで私たちは数々の経営改善実績があります。その中で製造業の改善実績は非常に多く、赤字→黒字に転換したクライアントもあります。この記事では前半に製造業分析でまず注視すべき指標をお伝えします。後半でどのように経営改善をおこなったかという事例を詳しくご紹介します。

製造業の経営分析3つの指標

製造業とは改めて、原材料を加工して製品を生産・提供する業種をいい、第二次産業です。事業のなりたちから、農業・林業等の第一次産業やサービス業等の第三次産業とは事業成功に紐づく指標は全く変わってきます。この段落では、製造業の経営分析に欠かせない3つの指標を解説したいと思います。

1. 歩留まり率
歩留まり率とは、

ある原材料における生産された製品のうちの良品率のことをいいます。

歩留まり率が低いと、その分余計に原材料が必要になり、製造における効率が悪くなります。歩留まり率に関わる数値は、製造ラインの作業面の人為的ミスや機会トラブルや原材料の良品率が影響を及ぼします。そのため、歩留まり率が悪化しても、原因を細分化すると次の打ち手がわかります。

2. 原材料比率

製品における原材料の比率を言います。

この数値が高まっているとすると、文字通り原材料の仕入れ価格が高くなっているか、または原価分を売価に転嫁できていない可能性が高いです。一方で、原材料費を抑えられると、営業・販促費にもコストをかけられるなど同業他社と比較して大きなアドバンテージとなります。

3. 収益性

売上における[企業/案件/品目]ごとの収益率を言います。

この数値の高低は、企業への亜w理引きや原材料費比率をはじめ様々な要素が関連しています。一方で、後述の通り人件費も関わってくるために[企業/案件/品目]ごとの収益性を細かく指標として見ている中小企業は多くありません。

製造業の経営分析事例と改善のカギ

ここからは製造業における経営の分析事例を紹介します。また事例を通して改善のカギを3つにわけ分かりやすく解説いたします。

歯科技工所を短期間で黒字化させた事例
J-Nextコンサルティング(Watta開発者)牧野と株式会社フェリーチェ生田社長との対談トップ画像歯科技工所のフェリーチェ様は高い技術力を背景に、数多くの歯科医院から信頼を獲得していました。2017年、経営赤字に苦しんでいましたが、”個別の収益性の把握”を通したコンサルティングにより収益性を大幅に改善、黒字転換を実現した事例です。

1. 案件別・事業別の収益性を可視化
まず、第一に手を付けたのは案件・事業別の収益性把握することでした。というのもフェリーチェ様はこれまで、来た案件をガムシャラに受けるというスタイルで経営しており、個別の収益状況を把握されていないということが分かったからです。これでは、どの部分が経営の「ガン」かわかりません。フェリーチェ様もこのようにおっしゃっていました。
–対談からの引用–

1ヶ月足らずでいろいろわかりました。当時はWattaではなく紙に案件別の時間を書き出していました。途中「げっ、この義歯こんなに時間掛かってたんだ」と思うようなことが多々ありました。

うちは保険診療と自費診療の2種類がありますが、もともと技術面を重視しているので保険義歯もそれなりに時間をかけていたんですよね。結果的には保険義歯も自費義歯も同じくらい制作に時間がかかっていた。でも売値は2倍以上違うんです。

–対談からの引用–

2. 的確な経営判断
経営改善に向けて、どの事業・どの企業の取引を増やしていくべきなのか、減らしていくべきなのかが明確になってきます。データをもとに判断を下すので、あいまいな基準になりません。フェリーチェ様の場合は、不採算事業をカットするという判断をしました。
–対談からの引用–

「保険診療」をやめ「自費診療」のみに事業を集中しました。実際に収益をみると「自費診療」と「保険診療」の格差にびっくりしたんです。牧野先生に個別案件の収益性を可視化してもらって、『こんなにも「保険診療」の収益は悪いのか・・・』と愕然としました。

保険診療をやめるというのは大きな決断です。売上や利益はどうなりましたか?

始めは不安だったのですが、売上は変わりませんでした。1社の歯科医さんとの契約は切れてしまいましたが、他の歯科医さんとはそれまでと変わらず関係性が維持できています。むしろ新しい歯科医さんとの付き合いは増えたくらいです。一方で利益は劇的に大きく改善しました。

–対談からの引用–

3. 経営状況を短いスパンで観察
改善施策を行ったら、逐次状況をウォッチし続ける必要があります。大事なことはPDCAを常に回し続けること。そうすることで、改善施策が成功したのか、失敗したとしても次にどんな施策を打つべきなのかが分かります。

まとめ:製造業の経営改善はまず指標を見るところから

ここまでで、製造業の経営状況を見る指標を3つご紹介しました。

  • 歩留まり率
  • 原材料費率
  • 収益性

また、こうした指標を使いつつ実際経営改善をはかったフェリーチェ様の事例もご紹介させていただきました。全ての改善は指標を見るところから始まります。もしあなたが、経営改善を指南する立場、実行する立場なら見るべき指標を整備することから始めましょう。経営を改善は必ず進むはずです。

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Wattaを利用して黒字転換!フェリーチェ様の事例

2017年、経営赤字に苦しんでいたフェリーチェ。収益性を大幅に改善し、黒字転換を実現しました。大きな要因は、”Wattaによる個別採算性の把握”にありました。フェリーチェの生田社長とWatta開発者の牧野の対談を通し、Wattaを使った黒字転換の秘訣を紹介します。

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